みなさんこんにちは、クムクムです。
韓国人夫との出会いを「馴れ初めシリーズ」としてスレッズに投稿し、思わぬ反響をいただきました。
まとめて読みたいというお声があり、こちらにまとめています。
それっぽい画像も作って貼ってみました(笑)
初めての方はこちらから順番に読めますので、よかったらご覧ください。
第1章「出会編」

「夫の気持ち編」
注:こちらは韓国人夫が勝手にスレッズにつぶやいた夫バージョンです(笑)

第2章は「再会編」

第3章は「越えられない距離編」

第4章は「日本で再会編」

第5章は「ソウルまで追いかけて編」

そして今回は、第6章、この先どうなるの?編です。
よかったらご覧くださいね。
僕たち本当に別れたの…?
彼と韓国で別れて日本に帰国すると、辺りはロウバイの香りに満ちていた。
今も同じ香りにあの時の2人を思う。
長い髪をバッサリと切り落とし、新しい服をいくつか買った。
生きていけるか心配なほど張り裂けそうだった身体も、壊れてしまった心も、仕事に没頭しながら騙していった。
夜になると空港での彼の最後の表情が思い出されて、苦しくなった。
でも、すがっても仕方ないのだからと言い聞かせ諦める。
彼から連絡はなかったし、私からもしなかった。
そうしてしばらく経った春の夜風の中に、突然、花びらのように舞い降りたカカオトークのメッセージ。
“元気だった?“
次第に、目の前がかすみ、辺りが見えなくなる。
自分でも気づかないほど、この一言を、どれだけの時間待ちわびていたのだろう。
止まらない涙。
目をこすってスマホを見る。
“来週、日本に行くからね!”
私たちの物語、まだ終わらないって信じていいのかな…。


別れた韓国人の彼が電話してきた。
嗚咽するほど号泣して、悲しそうな声で“会いたかった”と言った、懐かしい声で目が覚めた冷たい朝。
それは夢だったけど、“私も会いたい”と口に出してみてから少し泣いた。
それから本当に連絡が来て、その瞬間にどっと涙が溢れて思わずかけた電話。
まだこんなにも強く想っていたことに自分でも驚いたけれど、
“本当はすぐ追いかけたかった。会いたかった。でも…”
一番聞きたかった言葉。
本当は何度も思い描いたシーン。
私たち、まだ終わってなかった。
ううん、終わらせられない。
心から大切なあなたを、もう手放すことなんてできない。
色とりどりの花々が咲き誇り、美しさしかない柔らかな季節に、頬をなでる優しいそよ風のように韓国から来てくれた彼。
最後までこの縁を、この運命を信じてみよう。
そっと心に小さな決意を握りしめた。

韓国人の彼に会う日の朝はいつも、金色の朝日に包まれて目を覚ました。
アーモンドプードルのクッキーを焼いて、時間をかけてメイクしてから空港に向かう。
あと何十分、あと何分と次第に始まるカウントダウン。
流れる人をよそに、高まる鼓動。
入り口から出て来たあなたは、いつも一番光っている人。
顔を見合わせてから抱き合って、手を繋いで。
この空気感、大きくて温かい居心地の良い手に心からホッとする。
電車に乗るなり、まじまじと私を見つめ、前髪をそっと直してくれたり頭をなでたり、今までそんなこと一度だってなかった。
私の顔を何度ものぞき込んでは、何か言いたげに見つめてくる。
“側にいた時はわからなかったんだけど…いなくなってよくわかった…”
その続きを言いかけては、口をつぐんで言いよどむ。
夜ご飯を食べてからお酒を少しだけ。
彼が“なんで日本に来たかわかる?実は言いたいことがあって…”
咄嗟に身構えてしまうほどの真剣な様子。
私へのまなざしから伝わってくるのは、愛以外の何ものでもなかったはずなのに。
もしかしたら別れの挨拶に来たのかもと直感し、“怖い話なら聞きたくない”と突き放した。



頬を切るような凍りつく季節のソウルで、“日本に居た時はただ幸せだったから、愛してると言ったけど…結婚なんて考えてない”と彼の口からはっきり言われた。
飲めないお酒を無理に流し込み、声を上げて泣いた。
それならもう終わりにしよう、そう思って別れを告げて日本に帰ったのに。
やっと忘れられそうな春の日に、韓国から会いにきた彼。
混み合い、笑い声の響く賑やかな居酒屋で。
嫌がる私の手を握って“怖い話じゃないから、ちゃんと聞いてくれる?”と説得され、まるで子どものように両膝に手を置いて、うつむきながら次の言葉を待った。
“あなたなら…あなただから結婚したいと思った。僕の親には許可もらってきたから。御両親に許してもらえたら結婚しよう“
思わぬ展開に彼を見上げると、“ほんとに僕と結婚したいの?”と、いたずらっぽく聞かれ、咄嗟に色々な思いが駆け巡った。
私は結婚がしたかったのだろうか?
もう30代だから?
親や周りが言うから?
5歳以上も年下で長男の韓国人との国際結婚なんて絵空事では?
現実的にうまくやれるの?
次々と出てくる不安に押し潰されそうになり“うん”と素直に答えることができなかった。



彼が韓国に帰ってから、遠距離になった。
私は“結婚したい”とはっきりは答えられずも、また彼との関係が繋がったことが素直に嬉しかった。
彼なしで生きていく自信など少しもなかったから。
それでも“結婚”というものは喜びだけでなく、大きな責任や重圧も抱き含むもので、彼が躊躇した理由もわかる気がした。
朝起きてから寝るまで途切れることなく連絡を取り、毎日、スカイプでも何時間も話し寂しさを埋め合った。
結婚式や指輪のことを話す時間は楽しく、でもどこかで遠い未来を語り合うようで、現実味はまだなかった。
とにかく今は、2人がお互いを想っているという事実さえあればいい。
それでも離れている時間は長く、辛かった。
毎晩、受話器ごしに歌ってくれる彼の歌声を聴きながら眠りにつくと、不思議と夢でも必ず会えるようになった。
魔法のように過ぎる時間の中で、日に日に深くなっていく彼の気持ちに触れ、私もまた彼を思うと涙が出た。
“愛おしさ“という感情も、その時に初めて知った。
雨が降り続き、水たまりにやっと映った青空に若夏の予感がした頃。
彼のワーキングホリデービザの申請が通り、来日が決定した。


第6章はここまでです。
読んでくださってありがとうございました。
続きは「第7章 日本で就職するまで編」としてThreadsに随時公開予定です。
結婚してからの日常については、よければこちらの記事もどうぞ。


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また、楽天roomでは愛用中の韓国コスメや常食中の韓国グルメなども紹介しています。


よかったらご覧くださいませ。

韓国情報が一目瞭然の楽しいサイト「KOREAddicted」でも韓国人夫とのほっこりするエピソードに付いてコラムを書いています。
