今度は私が韓国に!馴れ初めシリーズ!第5章はソウルまで追いかけて編

恋愛・結婚

みなさんこんにちは、クムクムです。

韓国人夫との出会いをスレッズにつぶやいたところ、多くの方に読んでいただき、要望を受け「馴れ初めシリーズ第1章」として書きました。

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すると、10年間、当時のことについて口を閉ざしていた韓国人もなぜか自分の思いを書き始め…。

死ぬほど恥ずかしいのですが、本人の強い希望もありまとめました(笑)

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さらに、第3章は「越えられない距離編」。

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第4章の「日本で再会編」も…。

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今回は、第5章の「ソウルに追いかけて編」です。
よかったらご覧くださいね。

ソウルに来てくれない…?


韓国人の彼氏を追いかけて、今度は私が韓国に住むことになった。

弘大の駅裏の路地に借りた白い小さな部屋は、とても快適だった。

思い出すのは、でこぼことした歩道、色づく街路樹、落ちてくる枯葉や小学校から聞こえてくる子どもたちの元気な声…。

彼の実家はソウルまで1時間かかる郊外だったから、朝はお気に入りのカフェを見つけて毎日そこで1人過ごした。

店内には、思い思いに語り合う人たちの姿。

笑い合い、肩を寄せ合い、何を話しているのだろう。

ふと物思いにふけるのをやめ耳を傾けると、聞こえてくるのは韓国語だった。

その度に、“そうか、今私はソウルにいるんだ“と再確認する。

でも何語だろうと、ここがどこの国であろうと、彼に会いに来た事実、それだけが重要だった。

滞在の最大の目的は、後悔しないよう大切に過ごすこと。

いよいよ別れを告げるための渡韓になることがわかってたから。


韓国滞在中、彼は毎日お昼前にソウルにやって来て、私を弘大中のマッチブ(美味しいお店)に連れて行ってくれた。

無添加調味料のビビンバや鍋でグツグツ煮るチーズトッポッキ。

大好きなBIGBANGが足繁く通った庶民的な食堂や黒い参鶏湯の高級店。

食後はカフェでスイーツを食べながら甘い時間を過ごし、夜は眠らない賑やかなネオン街に繰り出した。

東大門の巨大なビルにひしめき合うショップで服を買ったり、タイムスリップしたかのような路地裏を手を繋ぎながら歩いたり、仁寺洞の韓屋で伝統茶をたしなんだりも。

南山タワーから見た、あの透き通るような夜景とか、その時の頬を刺すような冷たい風も、きっとずっと忘れられない。

普通の恋愛のようにはいかないのかもしれないけれど、一緒にいられるだけで心底ありがたかったし、ただ幸せだった。

同じ空の下、同じ空気を吸って…

“また明日ね“で終わる今日。

すぐに会えると思うだけで、寝付けないほど嬉しかった。

毎晩、その日にもらった温もりを1つもこぼさず、抱きかかえるように眠りについた。



ソウルに来て2週間。

彼の横顔に少しずつ疲れが見えるようになった。

毎日忙しい中、往復2時間以上もかけて会いに来てくれるのだから当然だよね、最初はそう納得しようとした。

それでも、“日本にいる時、どうやって会いに来てくれてたの?”

“毎晩ご飯作って疲れなかった?”

そう言われるたび“自分は迷惑かけてるのかな。日本に帰った方がいいかも“と考えてしまう。

彼を楽にしたくて“夕食だけ一緒に食べよう”そう心にもないことを言ってみる。

夜、彼が友達と飲みに行く日にも、気を遣って送り出した。

だんだんと離れている時間が長くなり、1人でご飯を食べたり連絡が取れないことも増える。

次第に日常がとても空虚に思えてきた。

そして積もっていく消えることのない色濃い寂しさ…。

冷たい雨が降りしきる朝に、カフェで頼んだ一杯のラテ。

立ち上がる湯気を見ていたら、いつの間にか泣いていた。

側にいたい、その一心だけでここまできた。

でも本当はわかってる。

もうどんなに一緒にいようとも、この孤独は決して埋まらない。

だって私達には、約束された未来などないのだから。

散々泣き腫らした後、別れを決意した。



ついに別れを告げる日が来た。

待ち合わせは弘大駅で17時に。

いつもより時間をかけてメイクし、腰まである長い髪も丁寧に巻いた。

一番気に入っていたシフォン生地の淡いピンク色のトップスと、タイトスカート。

かかとにリボンがついたベージュのエナメルのパンプスを履いて待ち合わせ場所に向かう。

桜色のネイルに、香水もつけて…。

私を見つけた時の彼のまなざし。

まるで宝物を見るようないつもの優しい目。

私の手がすっぽりとハマるほどの大きな温かい手をギュッと握って歩いた。

はたから見たら、ソウルの空の下で恋し合う、何の憂いも感じさせないようなカップルだったはず。

ふと何か証を残しておかないといけないような衝動にかられて、道端の露店で見つけた10000ウォンのシルバーの指輪をわがままを言って買ってもらった。

“今度は本物買ってあげるね”

その言葉が、ずっと脳裏に切なく響いた。

別れはすぐ側まで迫っていた。


彼と別れた夜のことは、今も鮮明に覚えている。

一睡もできずに迎えた朝のことも。

昔から、ソウルの冷たい夜明けが好きだった。

重い雲に覆われた薄暗さの中、もう聞こえてくる車のクラクションとか、やがて大きくなっていく喧騒とか。

凍りつく空気の中に、少しだけ春を感じる季節のことだった。

部屋のWi-Fiが突然、繋がらなくなって夜中に部屋まで来た時の心配そうな表情。

結婚の話に逃げ腰で“先のことはよくわからない”と言った時の冷たい目。

次の日、何も言わず1人で出かけた私を何時間も探して途方に暮れていたあの顔。

奇跡のような贈り物をいよいよ返す時が来たけど、わずかな時間でも、確かに私達は恋し合っていたよね。

あまりに若く不器用だったけれど、そこには“愛“と呼んでも差しつかえないものがきっとあったはず…。

別れを告げると彼は呆然として、しばらく意味を飲み込めず立ち尽くした。

理解した途端“信じられない“と言って両手で顔をおおって静かに泣いた。

“絶対に嫌だ…”

そう言って子どもみたいにすがってきた。

お願いだから、頼むから私の名前を呼ばないで…

離れられなくなくなってしまうから。

そう切に願った。


韓国から帰国する日、“別れるとしても見送りだけはさせて“と彼が部屋まで来た。

大きなトランクを運び出し、ガタガタの道を引いていく。

東大門で一緒に選んだネイビーのジャケットを着た彼の後ろ姿を写真に撮った。

“もう本当にさよならだね”

心の中でつぶやいた。

空港のレストランで、一口も食べることができなかった私を心配そうに見つめていた彼。

チェックインの時間が迫り、搭乗口に向かう。

“本当にこれで終わりなの?”

そう聞いてきた彼の顔はいつも以上に白く透き通っていた。

私はまたいつか、韓国に来るだろうか。

だとしても今の二人のこの瞬間は、もう二度と同じようには巡ってはこない。

別れ際に手紙を渡すと、彼は口をキュッと結んで強がった。

“行かないで…“

それが最後の言葉になった。

“毎日、会いに行きてくれてありがとう。毎日、大切にしてくれて、愛してくれてありがとう。あなたのような人に出会えて私は本当に幸せでした…“

あなたの全てにいつも愛があったよ。

私よりずっと深い愛があった。

あなたはわからなかったかもしれないけれど、私にはちゃんと見えていたよ。

”さようなら、大切なハヌルへ”

第5章はここまでです。

読んでくださってありがとうございました。

続きは「第6章 彼が日本に来た編」としてThreadsに随時公開予定です。


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韓国情報が一目瞭然の楽しいサイト「KOREAddicted」でも韓国人夫とのほっこりするエピソードに付いてコラムを書いています。

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