みなさんこんにちは、クムクムです。
何気ないつぶやきから発展し、韓国人夫との出会いを「馴れ初めシリーズ第1章」として書きました。
すると、10年間、当時のことについて口を閉ざしていた韓国人も自分の思いを書き始め…。
本人の強い希望で、こちらにまとめました(笑)
そしてフォロワーの皆さまから次も!と言っていただき、第2章もこちらに書きました。
さらに、第3章として「越えられない距離編」まで続いています。
今回は、第4章の「日本で再会編」。
もしよかったらご覧くださいませ。
日本に会いに行ってもいい…?
韓国人の彼とは海外の仕事先で出会った。
その後別の国で再会。
それから、付き合うためにと韓国から日本まで会いに来てくれ夢のような誕生日を迎えた。
夜景が見えるレストランでご馳走を囲み、しんしんと凍る雪深い冷たい街をイルミネーションをくぐり抜け歩く。
それだけで信じられないほどの幸せを感じた。
夜も遅かったので、彼が予約したホテルまで送り届けた。
実家まで帰宅するバスの中で、“明日チェックアウトは10時だから迎えに来てね”とのメッセージ。
翌朝、不安になる。
なぜなら日本に来て1泊しかしていないのに、もうチェックアウトだなんて。
“1週間仕事休んでね“と言われていたので、てっきりしばらくはいてくれるのだと思っていた…。
はやる気持ちで会いに行くと、全ての荷物をまとめてロビーに立っている。
まさかもう空港に?
すると“ここに行きたい”と地図を見せてきた。
バスを乗り継ぎ到着したのは雑居ビル。
受付で手渡された書類を見ると、なんとそれは3ヶ月間のマンスリーアパートの契約書だった!
“ビザが切れるまで日本にいるからね”
思わず呼吸が止まりそうになった。
彼は、韓国の大企業の正社員だった。
20代でかなりの稼ぎがあり、毎週末、高価なウィスキーに酔い、身につけるのはブランド品ばかり。
そんな彼が私のために日本に3ヶ月も移住するという。
“仕事は?御両親は大丈夫なの??”
思わず質問攻めにした。
小学生の頃から勉強漬け、超学歴主義の競争社会を必死に生き延び、やっとの思いで手にした誰もが羨む就職先だったはず。
それなのに“僕、約束を守る男だから信じて”そう言って冗談っぽく微笑みながら、アパートの鍵を受け取っている。
将来のキャリアビジョンとか長男としての責任とか、全てを手放し、相当な覚悟で今こうして私の側に立ってくれている…。
あの時、突然かかってきた真夜中の電話。
“付き合うなら僕が日本に行く。日本に行ってずっと側にいる!”
そう言ってくれた言葉が、現実になった瞬間だった。
同時に、絶対に1人にはしないし、寂しい思いも悲しい気持ちにもさせまいと、私も深く心に誓った。
韓国から日本に引っ越してきてくれた彼。
仕事を辞めるかわりに3ヶ月で日本語を完全マスターすることを親と約束しての来日だった。
貯金をはたきアパートを探して契約し、日本語の語学教室も調べて2つ予約。
“僕もうお金なくなっちゃったから、ご飯はよろしくね”
それから、彼が当たり前のように側にいてくれる時間は、まるで宝物のように過ぎて行った。
一緒にいられるのは、仕事帰りの数時間のみ。
実家暮らしの私の親が決めた帰宅時間を守るようにと彼に促され、毎日夕食を作って食べ終えたらホッとする間もなくバス停に急いだ。
食事の世話も、私の家の近くに住むことも、事前確認はなかったけれど、そこまでの絶対的な信頼を寄せてくれることが不思議だった。
それでも、最終バスのように期限付きの恋だとわかっていたからこそ、少しの時間も惜しみながら、会えない間にしてあげたかったこと、してあげられることを心から注いだ。
日本に来てくれて、いつも仕事が終わるのをただ勉強しながら待ってくれて、不慣れな手料理を美味しいと言ってくれて…
全てがかけがえがなく、奇跡のようだった。
彼が韓国に帰るまで20日切った週末の午後、近所のスーパーに1週間分の買い出しに行った。
北風が吹きつける中、肩を寄せ合いながら歩いた。
ふと見上げた透き通るような青空から、ふわふわと羽のように舞い降りて来た粉雪。
太陽の光にきらめきながらゆっくりと、足元にそっと降り積もる。
このまま、この大きな手をずっと離したくないと願った。
土日には日本各地を旅したり、平日にも毎日顔を見て、温かい食事を囲みながら笑い合い同じ時間を生きた。
でも幸せな日常の中に、ふと襲いかかってくる不安。
彼が韓国に帰ったら?
その後の私達は?
仕事を辞めて日本に来てくれたけど、再就職は韓国?
それとも日本で?
“僕まだ20代で結婚とか考えられない”
日本に来る前に言われた言葉が重しのようにずっと引っかかり、終わりも見え始めた。
そして時間は容赦なく流れ、帰国が近づいたある夜、彼が口を開いた。
“僕が帰った後、韓国に来てくれない…?”
別れへの覚悟がまた揺らぎ、消えていった。
覚えてるのは、グリーン、イエロー、ブルーに点滅する空港のライト。
薄紅色に染まった、うっとりするような美しいソウルの夕暮れ。
それから、ゲートを出た時に見た、キラキラしたあのまなざし。
抱きしめては顔を見合わせ、また抱き合って安堵した。
“やっといつもの2人に戻れたね”
日本で彼を見送ってからの10日間、本当に辛くて長かった。
原因不明の熱が続き、薬を飲んでやっと耐えた。
日本で一緒に過ごした3ヶ月は、振り返るたび幸せと、温かさ、喜びと楽しさ、笑顔にあふれた優しく愛おしい時間で…。
その先の運命は誰にもわからないものだったけれど、彼という存在が私の人生に訪れてくれたことに感謝したし、ずっと彼のことを守りたい、そう心から思った。
韓国に行くことに少しも迷いはなく、現実問題としてあった親や仕事もどうにか調整し、すぐに予約したチケット。
そうでもしないと、自分が壊れてしまいそうだった。
彼が側にいない時間には、いよいよ耐えられなくなっていた。
第4章は以上です!
スレッズのフォロワーさんたちが優しすぎるため、プロポーズまで続けることになりそうです(笑)
その後も「第5章 ソウル編」としてThreadsに随時公開予定です。
韓国人夫の陶器肌の秘訣はこちらからどうぞ。
結婚してからの日常については、よければこちらの記事もどうぞ。
他にも日韓夫婦の日常はインスタグラムでも紹介しています。
また、楽天roomでは愛用中の韓国コスメや常食中の韓国グルメなども紹介しています。
よかったらご覧くださいませ。
韓国情報が一目瞭然の楽しいサイト「KOREAddicted」でも韓国人夫とのほっこりするエピソードに付いてコラムを書いています。