みなさんこんにちは、クムクムです。
以前、Threadsでの何気ないつぶやきをきっかけに、韓国人夫との出会いを「馴れ初めシリーズ第1章」として書きました。
さらに、韓国人もThreadsに自分の思いを書き始め…。
本人の熱い要望により、こちらにまとめました(笑)
そしてご要望をいただき、第2章もこちらに書きました。
今回は、第3章、「越えられない距離編」です。
全て、ノンフィクションドキュメンタリーとして構成されています(笑)
もしよかったらご覧くださいませ。
再会後は…
彼に再会して、帰国して、それから過ぎていった曖昧な時間…。
目が覚めるたびに彼を想ったし、目を閉じていても想った。
まるで私という存在が完全に彼の色に染まってしまったようだった。
彼からのメッセージを見るたび切なくなり、つい返事をしてしまう。
でも“体に気をつけてね”“ご飯しっかり食べてね”そんな決まりきった言葉しか返せなくなる。
いつ途切れてもおかしくないのに。
それでも、出張の前にはお互い必ず行き先を連絡した。
ある日、彼は早朝に仕事に出発した。
私も忙殺され、ひと息ついた頃には日が暮れていた。
やっとスマホを手に取ると、珍しく彼からのメッセージがない。
そのまま夜になり、いつもは12時前に来る“おやすみ”もなかった。
翌朝の“おはよう”もやはりなく、既読もつかなかった。
そして2日経った。
出張中とはいえ、なんだかおかしい…。
その瞬間、いよいよその日が来たことを悟った。
そうか、彼はもう私を手放したんだ。
血の気が引き、体験したことのない恐怖に手足が震えたけれど、私はあらがうことさえできなかった。
彼から連絡が来なくなって3日経った。
最後の望みをかけて電話もしてみたけれど、電源も入っていない。
事故や怪我なの?
生きてるの?
死ぬほど気になった安否も、カカオトークのIDが消されたのを見て、彼の決断を再確認した。
こんなにも簡単に、あっけなく、完全に終わってしまった私達の淡い関係。
再会した日の真っ直ぐなまなざしとか、恥じらいながら渡してくれたピアスとか、スマホに残された、たくさんの写真たち。
抱きしめてくれた夜のこと。
彼との思い出を抱えたまま、まるで迷子のように立ちすくんだ。
それでも、きっとこれでよかったんだ、未来もないのに。
こうなることはわかってたよね。
溢れてくる彼への感情をそうやって説き伏せ、押さえつけた。
仕事に没頭し、何事もなかったかのように振る舞っているうちに、忘れられそうな気もした。
なのに、諦めの悪いバカな私は、夜になるとたまらずスマホを握りしめ、嘘であることをただひたすらに願いながら眠りについた。
無情にも、そのまま1週間経ってしまった。
夕方、“元気だった??”突然彼から届いたメッセージ。
こりない私は、また人目も忘れて泣きじゃくってしまった。
満員の車内がざわめくほど。
いつからこんなに弱くなってしまったのだろう、人前で泣くだなんて。
急いで駅を降り、涙をぬぐいながらかけた電話。
“出張先で携帯が壊れちゃって、直す時間もなくて、ごめんね…”
本当なのかな、もうどうでもいいと思った。
ただこんな風に、声を聞いただけで揺さぶられる心とか、あられもない自分の姿に嫌気がさしてしまった。
それ以来、連絡の頻度は減っていき、電話することもなくなっていった。
このままゆっくりとお別れしよう。
そう決心した。
一度折れてしまった心は、もう回復しなかったから。
1ヶ月後、偶然、仕事で会った彼の知り合いから、彼の噂を聞いた。
“森の妖精みたいな素敵な女性に出会って、心から愛してるから日本に行くことも考えているらしい…”
思わず目から大粒の涙がこぼれてしまう。
驚いたその人は“やっぱりクムクムさんだったのね。彼ね、あなた以上にあなたを想ってるのよ。怖がらずにまっすぐ気持ちを伝えてごらん?”
そう言って手を握ってくれた。
“갑자기 보고싶네…“朝起きたら、スマホにそんなメッセージ。
急に会いたいだなんて。
絶対に“会いたい”という言葉だけは使わなかったのに…。
知り合いから聞いた彼の気持ちは、正直嬉しかった。
でも、それ以上に大切なのは、私の心。
彼がどう思っていても、私も彼が好きだ。
結果がどうあれ、私もちゃんと伝えよう。
本当は、目が覚めるたびに、一番最初にあなたの存在を確認する日々だということを。
今この瞬間も、あなたがいなければ生きていけないほどになってしまったということも。
その夜、珍しい時間に電話があった。
“今日ね、1人で夜ご飯食べたの…。知ってるでしょ?僕、気難しいから…”
途切れてよく聞こえない。
“ソウルね…さっきから雪が降ってて…”
なぜだか泣き出しそうな声だった。
今しかない。
私の気持ちを伝えるのは。
その時人生で初めて、“サランへヨ”という韓国語を口にした。
その朝は、珍しく大雪だった。
あたり一面、真白に包まれた銀世界。
凍りつくような街を抜け、彼に会いに行った。
新しいコート、新しいワンピースにブーツ。
彼を迎える日のために用意したあれこれと、彼がくれたピアスをまとって…。
空港で、ふと見た電光掲示板の文字の日付は私の誕生日をさしていた。
到着ゲートに流れてくる人を見守りながら、胸の高まりを感じながら、“もう少しでプレゼントが届くから待っててね”というメッセージを何度も確認する。
やっと目の前に現れた、見慣れた顔。
短く切った髪、少し痩せて見えた。
彼が日本に来てくれた。
本当に約束を守ってくれた。
こんな日が私に来るなんて、想像すらできなかった。
彼に出会う前の、あの長過ぎた暗い日々に苦しむ過去の私に伝えたい。
大丈夫、必ず春は訪れるよって。
“僕たち、今日からカップルになったね”
そう言って微笑み合って抱き合った。
かけがえのない奇跡に、ただただ感謝しながら…。
第3章はここまでです。
優しいフォロワーさんたちから続けて欲しいとコメントをいただいたので、しばし続く予定です(笑)
その後は「第4章 日本で再会編」と題しThreadsに随時公開予定です。
結婚してからの日常については、よければこちらの記事もどうぞ。
他にも日韓夫婦の日常はインスタグラムでも紹介しています。
また、楽天roomでは愛用中の韓国コスメや常食中の韓国グルメなども紹介しています。
よかったらご覧くださいませ。
韓国情報が一目瞭然の楽しいサイト「KOREAddicted」でも韓国人夫とのほっこりするエピソードに付いてコラムを書いています。