みなさんこんにちは、クムクムです。
以前、Threadsでの何気ないつぶやきをきっかけに、韓国人夫との出会いを「馴れ初めシリーズ第1章」として書きました。
さらに、韓国人もThreadsに自分の思いを書き始め…。
本人の熱い要望により、こちらにまとめました(笑)
今回は、その続き、第2章編です。
全て、実話です(笑)
よかったらご覧くださいませ。
帰国の後で…
日本に帰国してみると、年下の韓国人男性との時間は、とてもはかないものに感じた。
きっともう会うことはない、そう思うたび胸の奥が痛んだ。
このままだと、全てが夢のように消え去ってしまうようで、急いでスマホに残された写真をプリントして部屋に飾った。
彼から連絡はなく、私からもしなかった。
そうして始まった何気ない日常。
でも、確かに彼との時間は現実だった。
だって全てを変えてしまったのだから。
私のあの平凡だった毎日は、もう二度と取り戻せない。
時が過ぎればこの辛さから解放されるのだろうか。
倒れそうなほど働き、死ぬほど忙しくしても、消せないやるせなさ。
つきまとう苦しみの中、いくつかの眠れない夜を過ごした。
そして、夜中に突然届いたメッセージ。
“何してる?”
“眠れなくて…”
前に、“目を閉じたら1秒で寝れるのが僕の特技“と笑いながら話してたのに。
涙が溢れて止まらなかった。
真夜中に突然、何週間ぶりに彼から来たメッセージ。
涙をぬぐって、震える手で“起きてる“と精一杯答える。
すぐに着信。
そのまま話し込み、気がつくと空が明け始めている。
そろそろ仕事に行く時間が迫り電話を切ろうとすると“あの…僕たち付き合えない?”
“月に2回は僕が日本に会いに行くから…”
それ以来、毎日連絡が来た。
“ご飯食べた?”
“ちゃんと眠れてる?“
“疲れてない?”
本当は空を見るたび、私もあなたを想った。
でも、あまりに遠く、果てしない未来。
国境を越えた遠距離恋愛なんて可能なの?
私はもう30代なのに?
“現実を見た方がいい“
“結婚する相手とだけつきあった方がいい“
周囲の厳しい声から逃げる勇気さえないのに。
それでも、ただ会いたかった。
ひと目だけでもいいから。
“会いたい“という言葉だけは、決して送れなかった。
朝起きると必ず彼から連絡が入ってる。
夜寝るまで、ずっと途絶えることのないメッセージ。
気遣いとか思いやりに溢れた、ふわりと包まれるかのような温かさを感じた。
同時に容赦なく襲ってくる切なさに、押しつぶされそうになる。
それでも、時々は電話で全てを忘れ、楽しく話した。
でも切る前にはもう2度と声が聞けなくなるのではという不安感もつきまとう。
スマホ1つでしか繋がっていない。
なんてもろい関係性なのだろう。
それから1ヶ月くらい後に彼が仕事で海外に行くという。
実は私も同時期に近くの国に出張があった。
“僕に会いに来てくれない?今後のことを話したい”
飛行機を乗り継げば距離的に行けないことはないけれど…。
以来、海を越えてまで会いに行くかどうか思い悩む日々。
周りは当然心配し、口を揃えて“やめておけ”と言う。
実家暮らしで親の顔色も伺うし、やめておこう。
でも可能性もあるかもしれない。
いやいや、どう考えても馬鹿げてる。
でも、暗くない未来もないわけではないよね?
期待を抱いては怖くなり、また期待してまた諦めて…
苦しいほどの葛藤を繰り返した。
その日、私は空港にいた。
このまま日本に帰国すれば、二度と彼には会えないだろう。
もうどうなってもいい。
どうしても最後に会いたい。
ギリギリまで迷い、悩みながら手にしたチケットを握りしめ、いざ飛行機に乗り込んだ。
でも、待ち合わせの場所に彼はいなかった。
何度探しても、辺りを一周しても見つからない。
電話も繋がらず既読もつかずに1時間が過ぎた。
初めは事故やトラブルを心配したけど、だんだんと悲しくなった。
全てが嘘だったんだ、こんなところにまで来るんじゃなかった、馬鹿な私…。
諦めて来た道を戻ると、人だかりができていた。
何気に見たら、なんと彼がいた。
前髪を上げセットまでして、鮮やかなスーツを着て見違えるようだった。
何度も時計を見て不安そうな姿に、慌てて声をかけた。
有無も言わせず抱きしめられる。
歓声と拍手が響く中、心から安堵して涙が溢れた。
2ヶ月ぶりの再会は少し気まずくて、お互い離れて歩いた。
痩せてしまった彼の姿に、彼に会うためだけにここに来たけれど、それでよかったと心から思った。
夕食を取るために入ったレストラン。
彼が“僕たちがもし結婚したらリアルドラマだね”と言うので、あと数時間で決まる私たちの未来に緊張した。
食後は、夜景の見えるバーで再会を祝った。
すると“これを渡したくて…”と、はにかみながら彼がポケットから取り出したのは、箱に入ったピアスだった。
優しく幸せに埋まってゆく、寂しかった空白の時間。
場所を移して話しを切り出す。
彼は付き合うなら遠距離は無理かも、と言った。
私は将来を考える人でないと年齢的につき合えない、と言った。
すると“ごめん。結婚なんてまだ考えてない”と…。
当然だよね、わかってる。
すぐ前に座っているのに、彼がとても遠く感じた。
会いたい一心でここまで来た。
でも常識や私達の置かれている環境はあまりにも厳しい。
もし今夜が最後なら…一緒にいられるのは後わずかだ。
涙をこらえて“今はただ楽しく過ごそう“と、精一杯伝えた。
彼が頼んでくれたマルガリータの苦さを、今も忘れずにいる。
最後だからと気を立て直し、夜の街に繰り出した。
たくさんの外国の人たち。
皆それぞれが、いろいろな理由で今この場所で、同じ時に酔う。
私も彼も、そのたった1つのコマにしか過ぎない。
でも私たちの物語は、切なさやもの悲しさを含みつつ、確実に終わろうとしている。
煌めくネオンの街でビールを何本も空けて…。
私は少しも酔えなかったけど、彼は泥酔し立てなくなった。
急に私の腰にしがみつき“I love you”と繰り返す。
“僕は愛なんて一度も感じたことない”そう言っていたのに…。
彼をホテルまで送ろうとタクシーに乗ると、私の膝に甘えるように頭を乗せた。
私を見上げ、日本語で“キミヲマモル”と何度も呟いた。
到着までの数十分、私は何も言わず、彼の髪をそっとなでながら、ただただ幸せを祈った。
心からの…。
翌日はお互い帰国日で空港で再会した。
彼が取り出した緑色のパスポートが目に焼きついた。
ハグをして、“さよなら、元気でね“そう言って別れた。
遠くなる背中を見ていたら、とめどなく溢れてくる涙。
そのまましゃがみ込み、人目もはばからず泣きじゃくった。
私も言えばよかった。
本当は大好きだってことを。
彼と別れてからフライトまでの3時間、嘘みたいにずっと泣いた。
そのせいか激しい頭痛と吐き気に襲われ機内食も食べられず、やっとの思いで飛行機を降りる。
家に着く頃には悪寒がして、そのままベッドに倒れ込んだ。
高熱でもうろうとする中、会いに行かなければよかったかな、彼は今大丈夫だろうか、さまざまな考えが浮かんでは消えていった。
一緒にいられないことがこれほど苦しいなんて…
心も身体も限界。
もう忘れてしまいたい、完全に。
心の中で何度も別れを告げた。
明け方に意識が戻りスマホの電源を入れたら、寝込んでから丸一日も経っていた。
彼からのたくさんの着信の跡に、またどうしようもなく心を引っ張られる。
“どれだけ心配したかわかる?僕を見て元気だしてね…”
そう言って送られてきた、たくさんの写真。
でも弱い私は、もう返事ができなかった。
これで終わりにしたかった。
第2章はここまでです。
果たしてどこまで続くのか…(笑)
その後は「第3章 つき合うまで」と題しThreadsに随時公開予定です。
結婚してからの日常については、よければこちらの記事もどうぞ。
他にも日韓夫婦の日常はインスタグラムでも紹介しています。
また、楽天roomでは愛用中の韓国コスメや常食中の韓国グルメなども紹介しています。
よかったらご覧くださいませ。
韓国情報が一目瞭然の楽しいサイト「KOREAddicted」でも韓国人夫とのほっこりするエピソードに付いてコラムを書いています。